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Think Village

日々思ったこと、気づいたことを推敲もなしに気ままに書き綴っています。

この世に意味のない行為はない

すべての物事には理由があり、そのコンテキストを知ろうとせずに卑下するのは愚かなことである。

私の前職は大手企業で、研修も手厚く、研修期間は1年ほどだった。また、歴史のある会社だったため、とやかくマナーにはうるさかった。私としては、マナーとか関係なく、業務に対して実利的に「ここは良くてここはダメだ、だからこうしよう」という前向きな話をしていきたかったのだが、どうもこのマナーというのが”アホ”くさい。

歴史のある会社ということは縦社会で年功序列で、1つでも年齢が上であればお客さんのように敬う必要があった。敬うこと自体はむしろ肯定するが、程度というものがあり、私は気を使うのに疲れた。下手に先輩への指摘なんてできるわけないし、非効率な作業手順であってもとりあえずは先輩方のいうことを聞かざるを得なかった。

マナーに”アホ”なほどうるさいと確実に言えるエピソードが有る。私は入社数ヶ月でいきなり支店長の送別会の幹事に任命されたが、支店長・役員を含めたお偉いさん方にはわざわざ”招待状”を手で直接渡す必要があった。渡すときに「mm/ddに○○支店長の送別会があるので来ていただけますか」と頭を下げて参加可否を伺うのだ。その時の私は「社内の人間になぜ媚びへつらう必要があるのか」と不本意に思いながらも慣例に従った。

縦社会に不満を抱いた私は、フラットな社風の会社に転職した。創業してそれなりに経つが、ベンチャー感がまだあるため、社内の人間関係は縦社会にある軋轢なぞなく、例えば上記のような飲みの誘いはGoogleCalendarでいきなり招待すればいい。私はその環境にすごく満足した。”アホ”くさいことから脱することができたと思った。

しかし、しばらくすると礼儀がなっていない若手社員が多数居ることに気づく。私は学生時代バイトを数多くこなしていたからか接客マナーであったり多少の社会人的な”大人”な対応はできるだが、新しい会社では若手はマナーがなってなかった。よりそれが強く感じるようになったのは私がOJTコーチャーとして新人と接するようになってからだった。とにかくマナーがなっていない。私は試行錯誤した。しかしどうしても分かってくれない。(そりゃ、多少のことで分かるくらいなら育成というのは苦労しないが。)

業を煮やしたある日、私は新人に「マナーについてよくわからないなら、せめて上司を天皇や総理大臣であるかのように接してみて」と言った。すごく言いすぎな表現ではあるが、そのくらい相手が偉いと思えば敬えると思い、新人も納得していた。”アホ”なこと言ってるなと我ながら思った。前職の縦社会を批判しておきながら、発想としては上司を天皇と思えなどとそれ以上のことを言ってのけているのである。そして、全ての新人を最大公約数的に考えて、一人前に育てるにはどうすればいいか逡巡すると、結局前職の会社と同じような研修内容や風土はある程度必要ではないか、と思えてくるのである。

”アホ”なことやってるなと思ってしまう行為ですら、膨大なコンテキストがきっと存在し、きっとその時点での、彼らにとっての最適解なのだと思う。外部の人間がより良い解を求める場合は、まずはそのコンテキストを理解せねばならない。