Think Village

日々思ったこと、気づいたことを推敲もなしに気ままに書き綴っています。

お金は貯めるべきものではなく、流れを良くするべき

同年代の友人の貯金は果たしていくらか、私のように30も手前になれば気にしたことがない人はいないだろう。日々浪費せず、計画的に節約し、堅実に貯金をしていくことは美徳であり、賢く生きるための1つの必須条件だと思えるほど、貯金は良いことという認識が浸透している。 私は物欲はそこまでないが、お金を貯めることはあまりできなかった。特に前職に在籍しているときはそうだった。なぜなら、単純に収入が少なかったからだ。手取り月二十数万、ボーナスなしでは実家ぐらしでもない限り、よほど節約していないと貯まらない。私の場合はむしろジリ貧であったし、今は独立して収入を得ることができているが、退職時は貯金がついにほぼゼロだった。だが、収入が倍以上になった今でも貯金はろくにできていない。できていない、というかあまりしようとしていない、というのが実際だ。ワーキングプアから、現在の収入になって、お金に対する保守的な考え方が改まったからである。

お金は使う以外にしようがない

私があまり貯金をしたがらない最たる理由は「お金は使うためにある」という単純な思想からだ。お金は持っているだけでは価値はなく、使って始めて価値が生まれる。必要以上にモノを買う必要はないが、貯めたお金よりも、旅行にいったり美味しいものを食べたり、そういった享楽や娯楽に使う方が価値があると考える。新たな経験は新たな価値観や気付きをもたらし、より人生を豊かにしてくれる。

お金の価値は下がり続ける

残念ながら、基本的に、お金は置いておくだけでは価値が下がる。つかってない限り数値上は不変だと思われがちだが、時代の流れとして、金はインフレをたどる一方だ。これによれば、昭和40年代の1万円は、現代でいうと価値は2万円から4万円であったとされている。政府は紙幣を必要に応じて刷り続けるので、お金の価値が下がり続けるのは考えてみると当然だし、不可逆である。日本にだけおいてみればその流れが緩やかだとしても、外国為替をふくめて見ると、非常に流動的であっとういまに価値が下がることもある(上がることもありえるが、放っておくとまた下ったりもする)のでより注意が必要だ。また、特にバブル期など羽振りがいい時代は金利があがるため、貯金すれば放っておいても金が増えたものだが(話しによれば景気のいい時代に10年も預ければ2倍にもなったとか)、この低金利時代にはそういったことも望めない。今は、投資などお金をうまくつかわなければ損をする時代になっていると言える。

時間>お金

また、時間を犠牲にしてまで貯金に励みたくない、ということもある。お金と時間は容易に交換できる。たとえば時給の労働。1時間が800円とかに換金できる。これならまぁ、効率がそこまで悪いとは言わないが、、節約のために家事や面倒事を自分でぜんぶやると時間が膨大に必要になるし、効率も非常に悪くなる。家事に時間を使って、その疲労を回復するためにまた時間を要するのである。それならば、多少金を使おうとも、楽した方がいい。家政婦を雇うでも、高性能な白物家電を買うでも良いが、楽して休んだほうがむしろ生産的だ。無駄に金を使うべくもないのは当然だが、だからといって必要以上に節約しようとするとより貧乏になるのは間違いない。10円、100円の違いで遠いスーパーに出かけてしまう行為は、その愚行の最たるものである。

安心を得るために貯金をするのは、あまりよくない手段

貯金をする最大の動機としては、何かあったときの生活の担保であると思う。確かに急に重い病気にかかって仕事ができなくなったのに貯金がゼロ、というのは先行きが暗すぎる。だが、貯金だけではまるで安心できない。先にあげたとおりお金の価値は下がるのもそうだが、貯金は、使ってしまうともうそれで終わりなのが最大の欠点だ。今までの苦労が水の泡と化す。日々のちょっとした贅沢さえ我慢し、家計を見直し、やっとこさ貯めたお金は、何かのトラブルで一瞬でなくなる可能性がある。そうなると今までの苦労は一体何だったのだろうか。この方法だと同じくらいの預金額に戻すには同じくらいの労力と時間をかけなければいけない。お金を貯めること「だけ」を考えると非常に危ういし、安心などできやしないのである。

お金の停滞と流れ

私はお金の価値を最大限利用するためにお金を使うようにしているが、安心のためにお金を得るためにはどうやればいいかということも最大限考えている。つまり、お金の価値をしっかり理解し、正しく使うようにすることで、お金を得るためのことにも気が向く、というサイクルだ。金を使えば金が入る。金は貯金で停滞させるようにするのではなくて、出て行くお金と入るお金の流れを作るべきなのだ。ここで、貯金しながらお金が入るようにすればいい、という安直な考えを試してみたくもなるが、それは大体においてうまくいかない。お金が貯まると現状に満足し、安心してしまうからだ。前述の通り安心というには少し心許ない状況なのに。お金をせき止めてしまうと、それ以上流入させる気はおきない。相当ストイックな人なら可能かもしれない。ただし、お金をうまく使えない人は、うまく稼ぐことは難しい。お金を稼ぐという行為は、お金を使う行為と背中合わせだからだ。株、為替、資産運用、結局お金を使う(投資)からこそ、そのリターンとして利益がうまれるのだ。お金を使わないで稼ぐ方法といえば普通の労働しかなく、稼げる範囲も限られてくる。金を上手に使える人は、普通に働きながらも投資したり副業したり、いろんな事を考えるようになるのだ。

お金の概念がなくなる

余談だが、このまま文化が発展すればお金の概念すらなくなるかもしれない。クレジットカードや電子マネーのみを使って生活しているとそういう気分になってくる。かの有名な堀江貴文氏によれば、お金よりも信用があることが大切だという。たしかに、仕事などにおいては信用に勝るものはないだろう。信用さえ得られればいくらでも投資してもらえるし、いくらでも稼げるようになる。お金の概念はなくなり、信用だけ、まさに本当の意味でのクレジットカードができあがるかもしれない。お金を貯めるのではなく、お金を使ってお金の入る仕組みを作る。そういう人は借金を背負うことになったとしても、お金の流入はしっかりあるし増やそうとするので行き倒れることはない。まさに(金銭的に)信用できる状態だといえよう。そういう状態になればお金の心配はいらなくなる、はずである。